たのきゅう

发表时间:2018-08-10内容来源:VOA英语学习网

むかしむかし、あるところに、たのきゅうという旅の役者がいました。 お母さんが病気だという手紙がきたので、大急ぎで戻る途中です。

ところが、ある山のふもとまでくると、日が暮れてしまいました。

すると茶店のおばあさんが、たのきゅうにいいました。

「およしなさい。この山には大きなヘビがいるから、夜は危ないよ」

でもたのきゅうは、病気のお母さんが心配なので、山へ登っていきました。

そして峠(とうげ)でひと休みしていると、白髪のおじいさんが出てきていいました。

「お前さんは、だれだ?」

「わしは、たのきゅうという者じゃ」

だけど、おじいさんは『たのきゅう』を『たぬき』と聞き間違えました。

「たぬきか。たぬきなら、化けるのがうまいだろ。さあ、化けてみろ。わしは大ヘビだ。わしも化けているんだ」

大ヘビと聞いて、たのきゅうはびっくり。

「さあ、はやく化けてみろ。それとも、化けるのが下手なのか?」

怖さのあまり、ブルブルとふるえていたたのきゅうですが、大ヘビに下手と言われて、役者魂に火がつきました。

「下手? このわしが下手だと? よし、待っていろ。いま、人間の女に化けてやる」

たのきゅうは荷物の中から取り出した女のかつらと着物を着て、色っぽく踊って見せました。

「ほほう、思ったより上手じゃ」

と、おじいさんは、感心しました。

そして、

「ときに、お前のきらいな物は、なんじゃ?」

と、聞きました。

「わしのきらいなのは、お金だ。あんたのきらいな物は、何だね?」

「わしか? わしのきらいな物は、タバコのヤニとカキのシブだ。これを体につけられたら、しびれてしまうからな。さて、お前はたぬきだから助けてやるが、この事は決して人間にいってはならんぞ。じゃ、今夜はこれで別れよう」

そういったかと思うと、おじいさんの姿は見えなくなってしまいました。

「やれやれ、助かった」

たのきゅうは、ホッとして山を下り、ふもとに着いたのは、ちょうど夜明けでした。

たのきゅうは、村人たちに大ヘビから聞いた話をしました。

「と、いうわけだから、タバコのヤニとカキのシブを集めて、大ヘビのほら穴に投げ込むといい。そうすれば大ヘビを退治できて、安心して暮らせるというもんじゃ」

それを聞いて、村人たちは大喜びです。

さっそくタバコのヤニとカキのシブを出来るだけたくさん集めて、大ヘビのほら穴に投げこみました。

「うひゃーあ、こりゃあ、たまらねえ!」

大ヘビは死にものぐるいで隣の山に逃げ出して、なんとか命だけは助かりました。

「きっと、あのたぬきのやつが、わしのきらいな物を人間どもにしゃベったにちがいない。おのれ、たぬきめ! どうするか覚えてろ!」

大ヘビは、カンカンになって怒りました。

そしてたのきゅうが一番きらい物は、お金だという事を思い出しました。

そこで大ヘビはたくさんのお金を用意すると、たのきゅうの家を探して歩きました。

そしてやっと、たのきゅうの家を探し当てたのですが、家の戸がぴったりと閉まっていて、中には入れません。

「さて、どうやって入ろうか? ・・・うん?」

そのとき大ヘビは、屋根にあるけむり出し口を見つけました。

「それっ、たぬきめ、思い知れっ!」

大ヘビは、けむり出し口からお金を投げこんでいきました。

おかげでたのきゅうは大金を手に入れて、そのお金で良い薬を買うことが出来たので、お母さんの病気はすっかり治ったと言うことです。

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